13.無臭って、いいことなの?

ブレンドの背後にある科学

「無臭であること」は、
しばしば「清潔そうな感じ」がしたり、「いいこと」の代名詞のように言われますよね。
ですが、ほんとにそうなのかな? 

私たちの身の回りには、
本来、完全に無臭なものはほとんどないと言って過言ではありません。

人の暮らしには、人々の体臭や、
素材の匂い、湿度、温度、時間の経過など、
様々なものが重なって「生活臭」として存在しています。
完全に無臭である状態は、生活環境のなかでは、まずあり得ないんですね。

で、ニオイとして、主に問題になるのは、多くの場合
匂いがあること自体ではなく、
その不快な匂いが
停滞
変質
必要以上にいい匂いを覆っていたり した
の状態なわけです。

市販の消臭剤も実は 
無臭にする、と謳っていても、
無臭を目指している訳ではないんですね

嫌なニオイを感じなくさせる作用を作ったり、
別の香りで覆ったりして、
清潔な印象を与える様に工夫しているんですね。

いわば、いかに心地よい香りに変えるか、なわけです。

実は、人間は
香りがない状態では、なんの情報も得られないため、
かえって不安を感じたりして、精神が安定しないと言われています。
真空状態の宇宙などを想像して頂けるといいかもしれません。

無臭=(イコール)人間にとっては、必ずしもいいことではないんです。

私たちは、常に、空気中に含まれる微量の匂いから
「ここは安全か」、「ここに人の気配があるか」
などを判断し、安心していると言われます。

香りを扱うときに大切なのは、
消すことでも、隠すことでもなく、
実は、不快にならないように整えること、なのかもしれませんね。

次回は「不快なニオイと、問題のないニオイは違う」についてです。

宇宙の映像を見ているとどこか怖い、
ニオイが存在してないことの怖さ、
きっとそれも含まれてるぞよ🥷

ひたちなか市のハーブ教室、どうぞさんのハーバルスタジオでした