=毒にも薬にもなるもの=

 アルカロイドとは、窒素(N)原子を含む有機化合物の総称で、通常強い苦味を持ちます。激しい生理作用があり、中枢性の鎮静、興奮作用などをもたらす事で知られています。植物だけでなく、微生物や菌類、両生類など、さまざまな生物によって生産されます。中でもやはり、アルカロイド含有物で最もよく取り沙汰されるものと言えば、覚醒剤、麻薬類ではないかと思います。一度摂取しただけで、習慣性を帯び、乱用することによって引き起こされる幻覚や妄想が、犯罪と結びつく事などから、大きな社会問題になっている事は周知の事ですが、その反面、アルカロイドをリード化合物として、麻酔薬、抗がん薬、抗マラリヤ薬などの治療薬も次々と開発されています。これがアルカロイドは古くから毒にも薬にもなる、と言われる所以です。

よく耳にするアルカロイド
モルヒネ(ケシの実)、コカイン(コカの葉)、カフェイン(茶葉、珈琲豆)、ソラニン(じゃがいも)、ニコチン(タバコ)、アコニチン(トリカブト)、テトロドトキシン(フグ毒)など

例 開発された医薬品
ケシ → モルヒネ → 鎮痛薬など
コカ → コカイン → 局所麻酔薬など
麻黄 → エフェドリン → 気管支拡張薬など
日々草 → ビンクリスチン、ビンブラスチン  →  白血病、悪性リンパ腫に有効な抗がん薬
タイヘイヨウイチイ → パクリタキセル  →  抗がん剤

トリカブト
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