Herb-エゾウコギについて

 =かつては宇宙飛行士、オリンピック選手に用いられたハーブです

学名 Acanthopanax senticosus
英名 Eleuthero siberian ginseng
別名 シゴカ(刺五加)
科名 ウコギ科
使用部位 根 根茎 茎
含有成分 リグナン、クマリン誘導体、サポニン類

  • ドイツコミションEモノグラフでは、服用期間通常は3ヶ月、1ヶ月のインターバルと記載
  • 心疾患、糖尿病、乳がんの患者は使用不可との報告あり。医師の診察を仰いで下さい

安全性については(ドイツコミションE、および、メディカルハーブ安全性ハンドブックに従っています)
健康食品・サプリ「成分」のすべて ナチュラルメデュスンデータベース 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会監修 参考




1. アダプトゲンとしての研究とソ連の国家プロジェクト

  • アダプトゲンの概念
    旧ソ連の薬理学者ニコライ・ラザレフ博士が「アダプトゲン」という概念を提唱し、その研究の中心にエゾウコギを据えました。
  • ソ連時代の国家プロジェクト
    1960年代、旧ソ連は「宇宙開発・オリンピックで西側に勝つ」ため、エゾウコギを国策で研究・栽培しました。
    宇宙飛行士、兵士、オリンピック選手に支給され、「疲労回復・集中力維持」の効果が期待されたと言われています。
  • 📌 西側諸国では「秘密兵器ハーブ」として報道されたこともあります。

2. 名前の由来

  • Eleutherococcus(属名):ギリシャ語で「自由な(eleutheros)棘(kokkos)」=トゲのある茎に由来。
  • シゴカ(刺五加):葉が5枚の複葉で、枝にトゲがあることから。
  • Siberian ginseng(シベリア人参):朝鮮人参と似た強壮効果があるために名付けられたが、厳密には別種。

3. 日本での希少性

  • 日本では「北海道東部(オホーツク沿岸など)」に自生。分布は非常に限られる。
  • 環境省のレッドリストに掲載されたこともあり、保護対象になる地域もある。

4. 生活利用

  • 北海道では若芽を「山菜」として利用(天ぷら・おひたし)。
  • 根の抽出液は滋養強壮ドリンクとして商品化されたこともある。

5. 日本での研究

  • 北海道大学や帯広畜産大学で薬理研究が進められ、ストレス耐性向上・免疫調整作用が報告されている。
  • 国内では「健康食品・民間薬」としての利用が主。

📌 まとめ
エゾウコギは「ソ連の宇宙飛行士やオリンピック選手が使った秘密兵器ハーブ」として有名になり、日本では北海道だけに自生する貴重な植物。薬効だけでなく、文化的背景や歴史的エピソードも面白いハーブです。

エゾウコギの利用法

  • 血管を拡張しれ血圧を降下させ、鎮静効果がある事が認められています。強壮薬、リウマチ、神経痛、不眠、食欲不振などに用いられます。チンキ剤、ハーブティで服用してみて下さい
  • 通常は3ヶ月以内に服用、これ以上続ける時は、1ヶ月空けてから再度服用するなどの方法もあります。
  • 新芽は天ぷらやおひたしとして食用になります。

エゾウコギの実 Wikipediaより
エゾウコギ 茶葉

参考文献 メディカルハーブの事典 主要100種の基本データ