=西洋の当帰 アンジェリカ=
- 学名 Angerica archangelica
- 和名 ヨーロッパトウキ
- 科名 セリ科
- 使用部位 根
- 適用 食欲不振、消化不良、気力体力の低下
- 含有成分 精油成分(アンゲリシン(フラノクマリン))、フィトステロール
- 光感作あり。チンキ剤など、皮膚に塗布した後、直射日光に当たると炎症を起こす可能性あり。塗布した後は6時間位は強い日差しは避けて下さい
- 妊婦の使用は不可
- 薬の飲み合わせについてはデータ不十分です
安全性については(ドイツコミションE、および、メディカルハーブ安全性ハンドブックに従っています)
健康食品・サプリ「成分」のすべて ナチュラルメデュスンデータベース 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会監修を参考
アンジェリカの名前の由来はエンジェル。悩める人々を助けるハーブとして古くから風邪、気管支炎、胃腸の不調などに用いられ、中世では、最も重要なハーブの一つとして、数えられていました。
現在では、チャイニーズトウキ(当帰)が主に婦人薬として調合されるのに対して、ヨーロッパトウキ(アンジェリカ)は消化不良や食欲不振を改善する目的でハーブティーとして服用されています。
アンジェリカもチャイニーズ当帰も発汗作用、利尿作用を持ち、身体を温めるため、冷え性、更年期の諸症状に用いられます。
アンジェリカの利用法
- 胃の不調、消化不良にはティーとして、服用して見て下さい。発汗作用がありますので、冷え性、更年期の気力、体力の低下にも利用できます。(チャイニーズ当帰と同じように、子宮の働きに効果があるとの報告もあります)
🔍 さらに深めるアンジェリカの知識
1. 芳香の特徴
香りはややスパイシーで甘く、土っぽさの中にほんのりバニラのような甘さが感じられることもあります。
精油としては心を鎮め、深い呼吸を促す香りとして知られています(※但し、精油は光毒性を持っていますので、扱いに注意が必要です)。
2. 伝統的な利用(ヨーロッパ民間療法)
北欧では**「魔除けのハーブ」**としても知られ、ドアに吊るされたり、旅の安全を祈って持ち歩かれたりしていました。
ベネディクト会修道士たちが育てていた「修道院ハーブ」の一つで、リキュール(ベネディクティン)にも用いられました。
疫病や悪霊から身を守る薬草としても信仰的意味を持っていた時代がありました。
3. 植物としての特徴
草丈は1.5~2mほどに育つ大型の多年草。淡い緑色の茎と、セリ科らしい羽状葉を持つ。
開花は6〜8月頃。黄緑〜白の花を咲かせます。
4. 薬理研究や臨床的知見(参考)
アンゲリカに含まれる**アンゲリシン(フラノクマリン類)**には、血管拡張や鎮痙(けいれんを鎮める)作用があるとされます。
胃腸のガスを軽減する働き(駆風作用)もあるため、ガス溜まりによる張り感・不快感に用いられることがあります。
5. おすすめのブレンド例
<食後のティーとして爽やかに>
フェンネル、ペパーミント
<温めて活力アップ>
シナモン、ジンジャー
<更年期のゆらぎに穏やかに寄り添う>
ラズベリーリーフ、ネトル
6. 注意事項 アンジェリカは 取り扱いが少し難しいハーブでもあります ご注意下さい
クマリン類(光感作成分)を含むため、外用は慎重に。
特に夏場のローションやオイルへの使用には注意が必要。
肝障害がある方は使用前に要相談(代謝系に関わる植物であるため)。
持病をお持ちの方、複数のサプリメントや医薬品を服用中の方は、併用を避けるか専門家にご相談ください。


参考文献 メディカルハーブの事典 主要100種の基本データ
ハーブ教室・茨城・ひたちなか市・どうぞのいす