=オレンジの香りは気持ちを明るくしてくれます=
- 学名 Citrus aurantium
- 和名 ダイダイ
- 科名 ミカン科
- 使用部位 果皮
- 含有成分 フラボノイド(ヘスペリジン、ナリンギン)、リモニン、香り成分(リモネン、α-ピネン、リナロール)
- 通常の食品としての摂取においは安全
- 但し薬での服用は、データ不十分。妊婦に対しても同様です。
- 注意事項 むかつきを伴う偏頭痛、関節炎の症状がある場合は避ける
参考 健康食品サプリ「成分のすべて」 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会 監修
オレンジの皮は、ただ香りがよいだけでなく、古くから「薬」としても重宝されてきました。
乾燥させた果皮は「オレンジピール」と呼ばれ、ハーブティーやブレンドに使われます。
そして漢方では「陳皮(ちんぴ)」という生薬として、胃腸の調子を整える大切な役割を担っています。
含まれる成分と働き
- フラボノイド(ヘスペリジン、ナリンギン)
→ 血流をよくして冷えや肩こりの改善に。血圧を上げすぎないようにする働きもあります。 - リモネン(香りの成分)
→ オレンジらしい香りのもと。不安や緊張をほぐし、気分を明るくしてくれます。 - リモニン(苦味の成分)
→ 胃腸を刺激して消化を助けるほか、近年は抗ウイルスやがん予防の研究も進んでいます。
文化的な背景
西洋ではオレンジは「繁栄の象徴」とされ、クリスマスや冬至に飾られてきました。
東洋では漢方の基本生薬として「食欲を整える薬」として親しまれてきました。
そして現代では、ハーブティーやスイーツ、パン、マーマレードなど、暮らしのあちこちで香りと効能を楽しむことができます。
漢方でのはたらき
「陳皮」という名前の通り、皮は“古いほどよい”とされ、時間をおいて熟成させると効き目が安定すると考えられています。
漢方では、胃もたれや消化不良、胸のつかえを和らげるほか、咳や痰、風邪によるのどの痛みにも用いられてきました。
処方の中では「六君子湯」などに含まれているようです。
まとめ
オレンジピールは、
- 香りで心を晴れやかに
- 胃腸を整えて体を軽やかに
- そして研究の世界では抗ウイルスや血流改善の可能性も効果があるとの報告が。
と、さまざまな顔を持つハーブです。
日常の「おいしい香り」から、伝統医学、最新の研究まで――
一枚のオレンジの皮がつないでいる世界は、とても奥深いものですね。

