=ペパーミント,スペアミント、薄荷についても ご紹介=
- 学名 Mentha piperita
- 英名 Peppermint
- 和名 西洋薄荷
- 科名 シソ科
- 使用部位 葉部
- 含有成分 精油成分(メントール)、フラボノイド、フェノール酸、タンニン
- 適応 腹部膨満感 過敏性腸症候群 眠気の改善
- 適切な量を8週間まで使用において安全。
- 胆石症の方は使用不可
- 妊婦の使用において、今のところ十分なデータがありません
- 胃酸分泌抑制薬、免疫抑制剤、など利用されている方は医師の指示に従って下さい
安全性については(ドイツコミションE、および、メディカルハーブ安全性ハンドブック)に従っています
健康食品・サプリ「成分」のすべて ナチュラルメデュスンデータベース 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会監修を参考
ペパーミントは古くから、飲み過ぎ、食べ過ぎ、胃痛などの胃の不調の改善に使用されてきました。ペパーミント特有のスッとする清涼感は精油に含まれる、ℓメントールによるものですが、ℓメントールは中枢神経に直接作用し、鎮痙(けいれんを沈める)作用を発揮する事が科学的研究でも報告されています。また胃腸だけではなく、腸管運動抑制作用、胆汁増加作用、また精油は、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの抗菌作用、リウマチ、筋肉痛、緊張型の頭痛の緩和など外用剤として使用されます。
スペアミントとの違い
同じミントで、こちらもよく耳にするハーブだと思います。ペパーミントと大きく違うのは香りの主成分がℓカルボンで、香りが柔らかなのが特徴です。こちらも胃腸の不調など、防腐作用などに使用されますが、胆嚢への作用や神経系症状はペパーミントを使う方が効果的な様です。香りが優しいのでお料理などではこちらを使う方も多いようですし、メントール含有が少ないため、子どもや高齢者にハーブティーで使いやすいとされています。
スペアミントの由来
葉の形が「槍(spear)」のように細長いので “spear mint”。となったと言う説あり。(でもあまり尖っている印象はないなぁ)
精油の使い道
香りが甘めで、ガムや歯磨き粉の「ミント味」の多くはスペアミント由来です。
ハッカ(薄荷)についても
薄荷もℓメントールを含有してるハーブですが、ハッカの方がℓメントールの量が多いので,清涼感が強いのが特徴で、刺激も強めです。精油として使う場合は控えめに使いましょう。
なお、薬局などでよく見かけるハッカ油は精油100%ではない事もあるようですよ。
ヒマシ油などがブレンドされていますので、成分表示など確認してみるといいですね。
北海道はかつて「世界の薄荷生産の7割」を占めた時期があるようです(明治〜昭和初期)。
「北見ハッカ」は今もブランドとして残っていますよね。
メントール結晶
ハッカ油から析出させた“メントールの結晶”は、医薬品や食品香料、湿布や軟膏の原料に広く使われています。(キラキラ綺麗な結晶です)。
虫よけ効果
日本では古くから「蚊よけ」にも使われ、今もハッカ油スプレーは夏の人気アイテムですね。
ペパーミントは実は自然交雑種
ペパーミントはスペアミントとウォーターミントの自然交雑種。
人間が古代から利用してきた「ハイブリッドハーブ」で、
野生種ではなく園芸的に広まった背景があるハーブですね。
薬用史の古さ
古代エジプトの墓からもミント属の種子が見つかっており、消化促進だけでなく儀式や香料にも使われていたようです。
冷たさの錯覚
l-メントールは実際に温度を下げているのではなく、「冷たさを感じる特別な受容体」を刺激して“冷えていると錯覚させる”作用なんですね。
胃腸の調子が悪い時、花粉症の症状などにティーとしてお飲み下さい。最近よく聞かれるようになった、逆流性食道炎にも効果があるとの報告があります。


参考文献 メディカルハーブの事典 主要100種の基本データ