ブレンドの背後にある科学
アントシアニンの色は、なぜこんなに変わりやすいのでしょう
前回は、ハーブティーの色が条件によって変わるという話をしたんですけど、
その中でも特に変化が大きいのが、
アントシアニンという色素なんですね。
ハイビスカスやウスベニアオイ、バタフライピーなど、
“色のあるハーブ”の重要な成分でもあります。
まず、なんと言っても、アントシアニンが
おもしろいのは、
少しの条件で色がすぐに変わってしまう点ですよね。
まずは、酸性とアルカリ性。
アントシアニンは酸性では赤っぽく。
水がアルカリ性に傾くほど、青〜紫に変化します。
ハイビスカスティーにレモン(酸)を加えると赤みが強りますし、。
逆に、重曹水(アルカリ性)を加えると、青紫に変わります。
そして、もう少し触れておきますと、
アントシアニンと時間の関係。
実は
ウスベニアオイの青は長持ちしないんですね。
ティーを淹れたすぐは、
綺麗な水色をしていますが、
あっというまに,
その青は薄らいで、黄色っぽい透明な色へと変化します
(この事から、ウスベニアオイは 夜明けのティー、なんて言われます)。
これは、アントシアニンが高温や空気に弱いためで、
時間とともに
色の力を失っていくためです。
ここで、あれ?と思われませんでしたか?
そう、バタフライピー をご存じでしょうか。
最近はカフェなどでも、よく見かける綺麗な青いドリンク。
あれは、おそらくバタフライピーを使っていることによるものではないかと
思っているのですが、
でも、提供して出てきても、
あのドリンクは色あせませんよね。
ずっと綺麗な色を維持しています。
そう、バタフライピーのアントシアニン色素は、長時間持続するんですね。
こちらはちょっと難しくて、豆知識っぽくなりますが、
アシル基という構造要素が加わっています。
アントシアニンがより安定した形になって存在しているため、
熱や時間の影響を受けにくく、青が崩れないんです。
アントシアニンは、
・酸性か、アルカリ性か?
・温度
・時間
この3つにとても敏感な色素なんですね。
だからかな、最近、小学校など、理科の実験などでも多く登場しているようです。
まさに最適な実験材料ですよね。
次回は 緑の色(クロロフィル)がくすむ理由について です

今日の一言
アントシアニンの性格の柔軟さよ。変わる時は変わり、守る時は守る。
うらやましいぞよ🥷
茨城県ひたちなか市 ”どうぞさんのハーバルスタジオ” でした。


