7.綺麗な赤(アントシアニンの性質)について

ブレンドの背後にある科学

アントシアニンの色は、なぜこんなに変わりやすいのでしょう

前回は、ハーブティーの色が条件によって変わるという話をしたんですけど、
その中でも特に変化が大きいのが、アントシアニンという色素なんですね。
ハイビスカスやウスベニアオイ、バタフライピーなど、
“色のあるハーブ”の重要な成分でもあります。



まず、なんと言っても、アントシアニンが
おもしろいのは、
少しの条件で色がすぐに変わってしまう点ですよね。

まずは、酸性とアルカリ性。
アントシアニンは酸性では赤っぽく。
水がアルカリ性に傾くほど、青〜紫に変化します。
ハイビスカスティーにレモン(酸)を加えると赤みが強りますし、。
逆に、重曹水(アルカリ性)を加えると、青紫に変わります。

そして、もう少し触れておきますと、
アントシアニンと時間の関係。

実は
ウスベニアオイの青が長持ちしないんですね。
ティーを淹れたすぐは、綺麗な水色をしていますが、あっというまにその青は薄らいで、黄色っぽい透明な色へと変化します(この事から、ウスベニアオイは 夜明けのティー、なんて言われます)。
これは、アントシアニンが高温や空気に弱いためで、
時間とともに
色の力を失っていくためです。

ここで、あれ?と思われませんでしたか?
そう、バタフライピー をご存じでしょうか。
最近はカフェなどでも、よく見かける様になりましたね、綺麗な青いドリンク。
あれは、殆どが バタフライピーを使っていることによるものです。
でも、提供して出てきても、あのドリンクは色あせませんよね。
そう、バタフライピーの紫色は、長時間持続するんですね。

こちらはちょっと難しいんですけど
アントシアニンがより安定した形になって存在しているため、
熱や時間の影響を受けにくく、青が崩れないのです。


つまりアントシアニンは、
・酸性か、アルカリ性か?
・温度 
・時間
この3つにとても敏感な色素なんですね。

だからかな、最近、小学校など、理科の実験などでも多く登場しているようです。
まさに最適な実験材料ですよね。


次回は 緑の色(クロロフィル)がくすむ理由について です



今日の一言

アントシアニンの性格の柔軟さよ。変わる時は変わり、守る時は守る。
うらやましいぞよ🥷


茨城県ひたちなか市 ”どうぞさんのハーバルスタジオ” でした。