11.なぜ柑橘精油は、足が早いのか

ブレンドの背後にある科学

柑橘精油は「酸化しやすい成分が、しかも大量に入っている」
これに尽きるんですね。

オレンジ、レモン、グレープフルーツなどの柑橘精油は、
ちょっと難しいですが、

  • リモネン
  • γ-テルピネン
  • β-ピネン

といった比較的軽いものが主成分なんですね。

このグループの特徴は:

  • 分子が小さい
  • 揮発性が高い
  • 二重結合を持ち、酸素と結合しやすい

つまり
👉 空気(酸素)に触れることで変質しやすい
んですね。

酸化が進むと、

  • 香りが鈍くなる
  • フレッシュさが消える

だけでなく、

  • 皮膚刺激性物質も増えてしまいます。

これは安全性の話なので、
「香りが落ちたね〜」の問題ではないので、注意が必要です。

では、他の精油と比べてみましょうか?

例えば、

  • サンダルウッド
  • パチュリ
  • ベチバー

比較的重い分類に入るこちらの精油の特徴は、

  • 分子が大きい
  • 揮発しにくい
  • 酸化に強い

だから比較的「足が遅い」んですね。


また、柑橘系は果皮由来、という点も関与しています

多くの柑橘精油は採取法法が、
圧搾法(果皮を絞る、潰すなどして、精油を取り出す方法)が多いんですね。
ですので、

  • 果皮のワックス成分
  • 微量の不純物

などが、微量に残ります。
これらも、酸化を促進する要因になるんですね。

多くの蒸留精油よりも品質劣化傾向にあるんです。

柑橘精油は、これらの事からも、長期保存には向かないんです。


だけど、ちゃんと役割がある気がしませんか?。
−柑橘系は やっぱり あのフレッシュな香りが一番ってことではないかしら−。

鮮度を大切に、だからこそ、
気分転換になるし、
元気がでる
そんな精油でもあるかと
思います。


次回は 香りは“消える”のではなく、姿を変える です



今日のひとこと
柑橘系、長持ちはしないけれど、その 刹那を存分に楽しむぞよ、ああリフレッシュじゃ🥷.

ひたちなか市のハーブ教室、どうぞさんのハーバルスタジオでした