ブレンドの背後にある科学
前回は精油の香るのには順番があるという話をしてきましたが、
ハーブティーにも、実は香る順番があるんですね。
まず、ふんわりと立ち上がる香り → しばらく続く香り → 最後に残る香り。
この三段階の変化は、精油と似ていますよね。
だけど、ハーブティーは、少しだけ違うんですね。
1. 最初に立ち上がる香り(揮発しやすい成分)
お湯を注いだ瞬間に感じる、軽やかな香り。やはり成分的にも軽いモノが出て行きます。
なので、リモネン、シトラール、メントン(ミントの成分)など、が中心となりますね。
葉・柑橘系のハーブに多く見られます。(ここは精油と似てますね)
2. 数十秒〜数分続く香り(ハーブの性格が出る部分)
それから、時間が経つと、ハーブの本来の性質が香ってきます。
ラベンダーの清らかな香り、
カモミールの青りんごのような香り、
ローズマリーの澄んだ緑っぽい香り。
※ただ、精油と違うのは、ここ。水溶性の成分の香りが加わると言う事なんです。
3. 最後に残る香り(深みをつくる成分)
そして、最後に、
お湯の温度が下がってくると、タンニンや苦味成分が少しだけ立ち上がり、
後口として、残る。
言い換えれば、余韻が残る。そんな感じです。
前回、精油の成分には軽いものと重いものがあるよとお伝えしましたが、
軽い成分(リモネンなど)は揮発しやすく、お湯の熱で最初に立ち上がります。
そのあと、水に溶けやすい成分や少し複雑な成分がゆっくり香りをつくり、
最後に重たい成分が余韻として残るーー。
ハーブティーでは、その成分が水にどの程度溶けるか、
なども香りの変化に関わるんですね。
揮発しやすい成分 → 最初の香りとして、
水溶性の成分 → 香りの中心
渋み成分 → 余韻の香り
お湯という抽出の場が、香りに時間軸を与えているわけですね。

今日の一言
さらりと水に姿を映すハーブティー。奥が深いぞよ🥷
次回は
「ハーブティー、温浸(温かいハーブティー)と冷浸(水出しハーブティー)で
“味”が変わる理由」
について考察していきます。
茨城県ひたちなか市 ”どうぞさんのハーバルスタジオ” でした。


